皆さん、明けましておめでとうございます。
2021 年も始まりましたね。今回は昨年末に購入した Dell Latitude 5510 に Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM, SCCM, Configuration Manager) を使って OS 展開していきましょう。OS 展開ネタですよ~
<前提条件>
・ Microsoft Endpoint Configuration Manager CB 2010 (KB4594176 適用済み)
・ Windows 10 version 20H2 (x64)
・ Dell Latitude 5510 (OS 展開先のハードウェア)
<概要>
Configuration Manager を使った OS 展開記事はこのブログでも取り上げたことがあります。(SCCM を用いた OS 展開 – 基本編)
しかしながら、以前取り上げた際には物理マシンに OS 展開するのではなく、仮想マシンに OS 展開していたことから、ドライバー等を含めた状態で展開していませんでした。
今回の記事では、実際の物理マシンに OS 展開する内容を記載したいと思います。
<OS イメージの登録>
- OS イメージ (ISO ファイル) を Volume Licensing Service Center (VLSC) や Visual Studio サブスクリプション (旧 MSDN) 等からダウンロードしておきます。
評価版の場合は、Microsoft Evaluation Center 経由でダウンロードしておきましょう。
- Microsoft Endpoint Configuration Manager サーバーにログインして、ダウンロードした ISO ファイルをマウントします。
- マウントした ISO の sources フォルダーに存在する install.wim ファイルを Microsoft Endpoint Configuration Manager で利用する共有フォルダー (パッケージのソース フォルダー) にコピーします。(まだ、Microsoft Endpoint Configuration Manager で利用する共有フォルダーが存在しない場合はまず、共有フォルダーを作成してください。)コピー元
コピー先
- Configuration Manager コンソールを起動し、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [オペレーティング システム イメージ] を開きます。
その後、[オペレーティング システム イメージの追加] を選択します。
- [オペレーティング システム イメージの追加ウィザード] が開きますので、[参照]
を選択します。
- ファイル選択画面が表示されますので、項番 3 で共有フォルダーに移動した install.wim を選択します。
- [パス] に選択したパスが表示されたことを確認します。
- 今回は Windows 10 Enterprise の WIM ファイルのみが必要なので、[指定された WIM ファイルから特定のイメージ インデックスを抽出する] を選択し、[イメージのインデックス] にて、[2 – Windows 10 Enterprise] を選択します。
その後、[アーキテクチャ] や [言語] も適切なものを選択し、[次へ] を選択します。
- [名前] や [バージョン] を入力し、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- 正常に終了すると、下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Configuration Manager コンソールにて、イメージが登録されたことを確認します。
<ドライバーの追加の前提準備 (Dell の場合)>
ドライバー ファイルの追加を行います。今回は、Dell Latitude 5510 に展開するので、Dell Command | Integration Suite for System Center というツールを用いて、ドライバー パッケージの追加を簡素化したいと思います。
- 2021 年 1 月 4 日現在、最新バージョンは 5.3 (2020 年 10 月リリース) です。
下記サイトにアクセスして、[ファイルのダウンロード] よりファイルをダウンロードします。
https://www.dell.com/support/home/ja-jp/drivers/DriversDetails?driverId=92KXC
- インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているため実行前に解除します。ファイルの [プロパティ] を選択します。
- [ブロックの解除] を選択します。
- ダウンロードしてきたファイルを [管理者として実行] を選択し、管理者として実行します。下記画面が表示されるので、[INSTALL] を選択します。
- インストール ウィザードが起動しますので、[Next] を選択します。
- [End User License Agreement] を読み、[I accept the terms in the license agreement] を選択し、[Next] を選択します。
- [type] の選択画面が表示されるので、[Complete] のまま、[Next] を選択します。
- [Install] を選択します。
- 完了すると下記の画面が表示されますので、[Finish] にて画面を閉じます。
- こちらの画面も最後に表示されるので、[CLOSE] で閉じます。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ドライバー パッケージ] にて下記の [Dell Command] が表示されていれば、成功です。
<ドライバー パッケージの追加 (Dell の場合)>
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ドライバー パッケージ] を開き、[Dell Command | System Driver Library Import] を選択します。
- [System Driver Library Import Wizard] が起動しますので、[Dell Update/Support site] を選択し、[Next] を選択します。
- ダウンロードするドライバーの機種を選択します。今回の場合、[Latitude 5510] なので、それを選択し、[Next] を選択します。
- 配布先の配布ポイントと、ドライバーの保存先を選択します。
(ドライバーの保存先は既定のまま選択します。)
- 内容が正しいことを確認し、[Finish] を選択します。
- ダウンロードと処理が終わると下記画面が表示されますので、[Close] を選択します。
- 作成したドライバー パッケージが存在するか、確認します。Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ドライバー パッケージ] > [Dell System Cab Driver Packages] を開きます。
作成したドライバー パッケージが存在することを確認します。
<ブート イメージの作成 (Dell の場合)>
必要に応じて、ブート イメージの更新を行います。これは、PXE ブート等で起動した際に対象のハードウェアのネットワーク ドライバーなどが無いとネットワークが認識しない場合向け等に必要になります。
- Configuration Manager コンソールを起動し、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ブート イメージ] を開きます。
[Dell Command | WinPE Driver Library Import] を選択します。
- [WinPE Driver Library Import Wizard] が起動するので、[Next] を選択します。
- 今回は、Windows 10 x64 バージョンを展開するので、[Windows PE 10.0 x64] を選択し、[Next] を選択します。
- ベースとなるブート イメージを選択します。(このブート イメージにドライバーを追加して新規ブート イメージを作成します)、配布する配布ポイントを選択し、[Next] を選択します。
- [Finish] を選択します。
- ブート イメージが作成されると下記画面が表示されますので、[Close] を選択します。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ブート イメージ] を開き、ブート イメージが作成されていることを確認します。(下記では、[WinPE-A21-9VX38-x64] が作成されたブート イメージです)
<タスク シーケンスの作成>
準備がそろったら、タスク シーケンスを作成して、OS 展開の準備をします。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を選択します。
その後、画面上部の [タスク シーケンスの作成] を選択します。
- タスク シーケンスの作成ウィザードが起動しますので、[既存のイメージ パッケージをインストールする] を選択し、[次へ] を選択します。
- タスク シーケンス名を入力し、前の手順で作成したブート イメージを選択します。
物理ハードウェアに展開する際に展開のスピードをアップするために、[高パフォーマンスの電源プランとして実行する] (バージョン 1910 以降で追加) を選択し、[次へ] を選択します。
- [イメージ パッケージ] は前の手順で作成した OS イメージを選択し、下記のように設定し、[次へ] を選択します。
- [ネットワークの構成] では、[ドメインに参加] を選択し、必要事項を入力し、[次へ] を選択します。
- [Configuration Manager クライアントのインストール] では、Configuration Manager クライアントのパッケージを選択し、[次へ] を選択します。
- [状態移行の構成] では、USMT を使わないので、[ユーザー設定とファイルをキャプチャする] をチェック外し、[次へ] を選択します。
- [ソフトウェア更新プログラムを含める] では、タスク シーケンス中には更新プログラムを適用しないので、[ソフトウェア更新プログラムをインストールしない] を選択します。
- [アプリケーションのインストール] では、必要に応じて、アプリケーションを追加してください。今回は追加せず、[次へ] を選択します。
- [設定の確認] で設定内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- 正常にタスク シーケンスが作成されると下記画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
作成したタスク シーケンスを選択し、[編集] を選択します。
- タスク シーケンス エディターが起動しますので、[デバイス ドライバーの適用] を選択し、[オプション] から [このステップを無効にする] を選択します。
- [追加] > [ドライバー] > [ドライバー パッケージの適用] を選択し追加します。
- 名前を適宜設定します。[ドライバー パッケージ] は Dell Command で作成したドライバー パッケージを選択します。
- [オプション] を開きます。
- [条件の追加] > [WMI に照会する] を選択します。
- 下記のように設定します。
Select * FROM Win32_ComputerSystem WHERE Model = "Latitude 5510"
- 下記のように追加されたことを確認します。
- 必要に応じて、追加の設定を実施します。
例えば、タスク シーケンス展開時にコンピューター名を付与する方法【HTA 編】 で照会しているコンピューター名を指定する方法。
- 日本語キーボードにするための方法
cmd.exe /c reg add HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters /f /v "LayerDriver JPN" /t REG_SZ /d kbd106.dll & reg add HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters /f /v "OverrideKeyboardIdentifier" /t REG_SZ /d PCAT_106KEY & reg add HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters /f /v "OverrideKeyboardSubtype" /t REG_DWORD /d 2 & reg add HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters /f /v "OverrideKeyboardType" /t REG_DWORD /d 7
- そして、最後の再起動 (上記の日本語キーボードのレジストリを反映させるため)
- 必要な設定が終わったら、[OK] でタスク シーケンス エディターを閉じます。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開き、対象のタスク シーケンスを選択します。
タスク シーケンスを選択し、[展開] を選択します。
- 展開先のコレクションを [すべての不明なコンピューター] を選択し、[次へ] を選択します。
- [目的] を [利用可能] にして、[利用できるようにする項目] を [メディアと PXE のみ] にして、[次へ] を選択します。
- 直ぐに展開したいので、スケジュールはそのままにして、[次へ] を選択します。
- [ユーザー側の表示と操作] はそのままにして、[次へ] を選択します。
- [アラート] もそのまま、[次へ] を選択します。
- [配布ポイント] もそのまま、[次へ] を選択します。
- [概要] にて設定内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- 完了すると下記のウィザードが表示されますので、[閉じる] を選択します。
- [コンテンツの配布] も行います。[次へ] を選択します。
- 配布するコンテンツが正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- コンテンツの配布先の配布ポイントを追加します。追加後、[次へ] を選択します。
- [設定の確認] にて、配布先の配布ポイントが正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- 設定が終わると、下記の画面が表示されますので、[閉じる] にて画面を閉じます。
<PXE ブートにて、タスク シーケンスを流す>
- Dell Latitude 5510 を起動して、[F12] キーで [Onboard NIC (IPV4)] を選択してネットワーク ブートします。
- ブート イメージをローディングします。
- タスク シーケンス ウィザードが起動しますので、[Next] を選択します。
- 対象のタスク シーケンス (Windows 10 Enterprise 20H2 (ja-jp))を選択し、[Next] を選択します。
- コンピューター名を設定する HTA を追加したので、下記の画面が表示されます。
- ドライバー パッケージの適用がされていることを確認します。
- OS 展開が終わったら、ログインして正常に OS 展開できているか確認します。
- デバイス マネージャーにて、正しくデバイス ドライバーが認識されているかも確認します。
<まとめ>
今回は、物理マシン (Dell Latitude 5510) に OS 展開する手法を紹介しました。実際の現場では、仮想マシンに展開するというより、物理マシンに展開することが多いと思いますので、この記事が少しでも役に立てば幸いです。また、OS 展開ネタを紹介できればと思います。
皆さんも楽しい OS 展開ライフを!