皆さん、こんにちは。
今回は、先日リリースされた、Configuration Manager CB 2403 で正式リリースとなりました、ARM64 デバイスへの OS 展開の内容を取り上げたいと思います。今回は、がっつり、OS 展開を取り上げます。
本内容については、以前に、このブログでも Configuration Manager TP 2311 の時に記事を書いています。ただし、その時点では Preview でしたので、今回ようやく、CB (Current Branch) バージョンでも搭載されました。
ARM64 アーキテクチャといえば、先日発表された、Copilot+ PC には、ARM64 アーキテクチャの Snapdragon X Elite / Snapdragon X Plus が搭載されています。
このような ARM64 アーキテクチャの CPU に Microsoft Configuration Manager を用いて OS 展開を行う方法を紹介していきます。
今回の記事では、事前に Microsoft Configuration Manager CB 2403 環境は用意しているものとします。
Configuration Manager Current Branch 2403 がリリースされました!
<Windows ADK の準備>
まずは、Windows ADK の準備をしていきます。
Technical Preview のときは、10.1.25398.1 (September 2023) をインストールしましたが、Microsoft Configuration Manager CB 2403 では、10.1.25398.1 (September 2023) がサポートされていませんので、10.1.26100.1 (May 2024) 以降をインストールしてください。今回は、10.1.26100.1 (May 2024) を用います。
- 既存で Configuration Manager サーバーにインストールされている、古いバージョンの Windows ADK および Windows PE add-on for the Windows ADK をアンインストールします。
- 両方のアンインストールが終わったら、OS を再起動します。
- 下記のサイトから、10.1.26100.1 (May 2024) バージョンをダウンロードします。
必ず、Windows ADK および Windows ADK Windows PE アドオンの二つをダウンロードします。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/get-started/adk-install#download-the-adk-101261001-may-2024 - Windows ADK をインストールします。
インストールする機能は必要に応じて選択ください。
[Deployment Tools] と [User State Migration Tool (USMT)] は必ず選択してください。
- 続いて、Windows ADK Windows PE アドオンをインストールします。
- Windows ADK および Windows ADK Windows PE アドオンのインストールが終わったら、OS を再起動します。
<ブート イメージの準備>
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ブート イメージ] を開きます。
- [Boot image (arm64)] が表示されていることを確認します。
- [Boot image (arm64)] を選択して、右クリックにて、[配布ポイントの更新] を選択します。
- [このブート イメージを Windows ADK の現在の Windows PE バージョンを使用して再度読み込む] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [概要] にて内容を確認し、[次へ] を選択します。
- 処理が開始されます。
- 完了すると、下記のような画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- 必要に応じて、[Boot image (arm64)] にオプション コンポーネントやドライバーを追加します。
また、[Boot image (arm64)] は既定で配布ポイントには配置されていませんので、必要な配布ポイントに配布してください。
<OS イメージ (wim) ファイルの準備>
今回も、以前の記事同様の方法にて wim ファイルを入手します。
※ 下記手順はあくまで検証目的で実施した方法であり、公式の手順では無いことに注意してください。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [Windows Servicing] > [すべての Windows 機能更新プログラム] を選択します。
- 検索ボックスに、[Windows 11(ビジネス エディション)、バージョン 22H2ja-jparm64] と入力し、表示された更新プログラムを右クリックから [プロパティ] を選択します。
- [コンテンツ情報] タブを開き、[.esd] ファイルを選択し、[Ctrl] + [C] キーで、コンテンツをコピーします。
- [Ctrl] + [C] で、クリップ ボードにコピーされているので、メモ帳等にその結果を貼り付けて、URL 部分のみ再度コピーして、ブラウザーに貼り付け、esd ファイルをダウンロードします。
- ダウンロードが終わったら、下記のコマンドにて、esd ファイルから wim ファイルを生成します。
dism /export-image /SourceImageFile:"C:\Users\Administrator.TAMAI\Downloads\22621.1.220506-1250.ni_release_clientbusiness_vol_a64fre_ja-jp_32d26af4a8ae58af901073e0b2ea390bc4a20c97.esd" /SourceIndex:4 /DestinationImageFile:"C:\Users\Administrator.TAMAI\Downloads\Windows_11_Enterprise_22H2_Arm64.wim" /Compress:max /CheckIntegrity
- 作成された、wim ファイルを、Configuration Manager のパッケージ ソース フォルダーにコピーしておきます。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [オペレーティング システム イメージ] を開きます。
- 上部のリボンから [オペレーティング システム イメージの追加] を選択します。
- ウィザードが起動したら、先ほど作成した wim ファイルをコピーしたパッケージ ソース フォルダーから wim ファイルを選択します。
- [事前キャッシュ設定] はグレーアウトしているので、そのままにして、[次へ] を選択します。
- [全般] にて、OS イメージの名前などを設定します。
- [概要] にて内容が正しいことを確認して、[次へ] を選択します。
- 正常に完了すると、下記のような画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- 作成した [オペレーティング システム イメージ] を配布ポイントに配布します。(手順割愛)
<タスク シーケンスの作成>
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
- 上部のリボンから [タスク シーケンスの作成] を選択します。
- [タスク シーケンスの作成ウィザード] が起動しますので、[既存のイメージ パッケージをインストールする] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [タスク シーケンス情報] にて、タスク シーケンスの名前等を設定します。
ブート イメージは、今回更新した arm64 のブート イメージを選択します。
- [Windows のインストール] では、作成した Windows OS イメージを選択します。
- 必要に応じてドメイン参加の情報を入力します。
- [Configuration Manager のインストール] では、既定のままにして、[次へ] を選択します。
- [状態移行] では、今回は USMT を使わないので、[ユーザー設定とファイルをキャプチャする] のチェックを外します。
- [更新プログラムを含める] も既定のまま、進みます。
- [アプリケーションのインストール] も今回は行わないので、そのまま進めます。
- [概要] にて設定内容が正しいことを確認して、[次へ] を選択します。
- 正常に完了すると、下記のような画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- 必要に応じて、タスク シーケンスを編集します。
- その後、タスク シーケンスを展開します。今回は、[すべての不明なコンピューター] コレクションに展開しました。
<実際に OS 展開して動作確認する>
今回は、Windows Dev Kit 2023 上の Hyper-V に、VM を作成し、OS 展開をします。
Windows Dev Kit 2023 上の OS には、Windows 11 Build 26236.5000 (Canary Build) を使用しました。なぜ、Insider Preview Build を使用したかというと、ARM64 マシンのホストの Hyper-V VM で仮想 TPM を利用する場合、Build 25370 以降が必要だからです。
無事、OS 展開できました。下記に動画も載せたので、流れをご覧ください。
<まとめ>
ようやく、正式リリース後に、Configuration Manager での ARM64 の OS 展開について取り上げることができ良かったです。
Copilot+ PC のリリースで、ARM64 アーキテクチャ搭載の PC も市場に増えるかと思いますので、Configuration Manager 管理者の方は是非この点もケアしてみてはいかがでしょうか。
今回は、Hyper-V の仮想マシンへの OS 展開でしたが、時期を見計らって、実機のマシンにも展開する記事も掲載できればと思います。気長にお待ちください。