CAS 環境下で特定のプライマリ サイト配下のソフトウェア更新ポイントを即時同期実行させる

皆さん、こんにちは。

今回は、Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM, SCCM, Configuration Manager) の CAS (Central Administration Site, 中央管理サイト) 環境下での TIPS をお伝えします。

CAS 環境での TIPS なので、大規模環境やグローバル組織で Configuration Manager を管理されている方向けの記事になります。

まず、CAS 環境となると下記のように、CAS をトップとして、CAS 配下に各プライマリ サイトがぶら下がった形の構成になります。

グローバル組織では、CAS は本国の管理になっており、各リージョンで各プライマリ サイトを管理している構成をしているかと思います。(例えば、CAS は本国で管理、日本では一プライマリ サイトを管理というような環境)

その場合、CAS のソフトウェア更新ポイントが Microsoft Update と同期しており、配下のプライマリ サイトおよびプライマリ サイトの配下にあるソフトウェア更新ポイントのサイト サーバーがあるという環境下かと思います。

このような CAS 環境下のソフトウェア更新ポイント環境では、もし自身の管理するプライマリ サイト配下のソフトウェア更新ポイントだけが同期に失敗してエラーが表示されていたり、新規にソフトウェア更新ポイントのサイト サーバーを作成しても同期スケジュールを待たないと同期が開始されません。もちろん、同期スケジュールを待てば良いのですが、直ぐにエラーを解消したい、同期を直ぐにしたい場合があると思います。しかしながら、GUI 上は、[ソフトウェア更新プログラムの同期] のボタンは CAS 環境に Configuration Manager コンソールで繋いだ時にしか実行出来ません。また、その同期を行うと CAS 配下のすべてのソフトウェア更新ポイントが同期されてしまいます。グローバル組織の場合は他のリージョンのプライマリ サイト配下にも影響するため、例えば、日本独自の判断で CAS 配下のすべてのソフトウェア更新ポイントを同期することは出来ないと思います。

<CAS に Configuration Manager コンソールで接続した場合>

下記のスクリーン ショットで表示されているように、[ソフトウェア更新プログラムの同期] が実行出来ることが分かります。

<CAS 配下のプライマリ サイトに Configuration Manager コンソールで接続した場合>

下記のスクリーン ショットで表示さているように、[ソフトウェア更新プログラムの同期] が選択出来なくなっています。

しかしながら、CAS 配下のプライマリ サイト単位でソフトウェア更新ポイントの同期が出来ないと困る場合があるので、方法を探してみました。

その結果、答えは、Microsoft Docs に掲載されていました。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/mem/configmgr/track-software-update-synchronization

プライマリ サイト サーバーの \Program Files\Microsoft Configuration Manager\inboxes\wsyncmgr.box 配下に空の SELF.SYN ファイルを作成すれば良いだけでした。

では、実際に手順と動きについて見ていきましょう。

まずは、wsyncmgr.log (C:\Program Files\Microsoft Configuration Manager\Logs\wsyncmgr.log)

まだ、[Wakeup for a polling cycle] と表示されており、同期は開始されていません。

その後、C:\Program Files\Microsoft Configuration Manager\inboxes\wsyncmgr.box に空のファイルである SELF.SYN を置きます。

置いた後はファイルが直ぐに処理されて、このフォルダーから消えます。

その後、直ぐに wsyncmgr.log を確認します。

[Found local sync request file] と表示されて、同期処理が開始されます。

<まとめ>

今回は、CAS 環境での TIPS をお伝えしました。今後もまた TIPS を発見したら、紹介していきたいと思います。