皆さん、こんにちは。
今回は、日本時間 2023/10/10 (米国時間 2023/10/09) にリリースされた、Microsoft Configuration Manager (Configuration Manager, Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM), SCCM) Current Branch (CB) 2309 について紹介したいと思います。
以前のブログでもお伝えしておりました通り、Configuration Manager Current Branch (CB) のリリース頻度が年二回に変更になっております。
今回も、公式ブログ サイトにて、記事が公開されています。
Configuration Manager CB 2309 の新機能については、Microsoft Learn に記載されています。
What’s new in version 2309 of Configuration Manager current branch
今回のバージョンでは、後述もしますが、SQL ODBC ドライバーの要件が変更になっていますので、要注意です。前提条件チェックにも影響しますので、ご留意ください。
あとは、Windows 11 version 22H2 以降が対象ですが、Windows ネイティブの再起動エクスペリエンスを使える機能が搭載されています。
<Early update ring について>
今回もまたそうですが、Configuration Manager は、リリース当初は、Early update ring と呼ばれるリングに、PowerShell のスクリプトを実行してオプトインしないと Configuration Manager CB 2309 にはアップグレードできません。そのため、一定期間 (数週間) は下記の手順に従ってアップグレードを行う必要があります。
※ Configuration Manager CB 2309 にアップグレードする場合は、Configuration Manager CB 2203 以降を実行している必要があります。
<事前準備 : Windows ADK の更新>
必要に応じて、Configuration Manager サーバーのアップグレード前に、Windows ADK を更新してください。Configuration Manager Current Branch 2309 がサポートしている Windows ADK は、Windows ADK for Windows 10 バージョン 2004、Windows ADK for Windows Server 2022、Windows ADK for Windows 11 (Build 22000 と Build 22621) です。(今回のバージョンでは、下位互換される ADK はありませんので、ご注意ください。)
Support for the Windows ADK in Configuration Manager
<Windows 11 のサポート>
Configuration Manager での Windows 11 のサポートですが、 2107 の時からサポートされています。今回リリースされた 2309 においてもサポートされます。
<Configuration Manager CB 2309 へのアップグレード方法 (Early update ring 編)>
- こちらのサイトにアクセスし、[Version 2309 opt-in script] をダウンロードします。
- インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているため実行前に解除します。ファイルの [プロパティ] を選択します。
- [許可する] を選択します。
- [EnableEarlyUpdateRing2309.exe] を管理者権限で実行します。
- PowerShell スクリプトの展開先を選びます。既定では、同じフォルダーに展開されるようになっています。展開先を [Browse] で選択後、[OK] を選択します。
※ ここでは、[C:\EnableEarlyUpdateRing2309] を選択しています。
- PowerShell が展開されると、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
- PowerShell を管理者権限で起動し、PowerShell スクリプトを展開した先に移動後、下記のコマンドを実行します。
.\enableearlyupdatering2309.ps1 <サイト サーバー名 or CAS サーバー名>
- Configuration Manager コンソールを開き、[管理] > [概要] > [更新とサービス] を開きます。自動的に Configuration Manager CB 2309 がダウンロードされ、[インストールの準備完了] になりますが、ならない場合は、上部のリボンから [更新プログラムの確認] を選択します。
※ 必要に応じて [ダウンロード] も選択してください。
- タブの [状態] が [インストールの準備完了] になったら、上部のリボンから [前提条件チェックを実行] を選択します。
- 今回は、前提条件チェックに合格しませんでした。
- [監視] > [概要] > [更新とサービスの状態] にて詳細な情報を確認します。
前述の通り、Microsoft ODBC driver 18 for SQL の前提条件で失敗しております。
対処方法は、項番 12 で紹介します。[失敗]:Install the Microsoft ODBC driver 18 for SQL setup from https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2220989.
[完了 (警告あり)]:クライアント通信で HTTPS または拡張 HTTP が有効になっていません。HTTP のみの通信は非推奨であり、今後のバージョンの Configuration Manager ではサポートされなくなります。HTTPS または拡張 HTTP を有効にすることにより、サイトのセキュリティ保護された通信方法を有効にします。詳細については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2155007 を参照してください。
[完了 (警告あり)]:資産インテリジェンス機能は非推奨となり、将来のリリースで廃止される予定です。資産インテリジェンス同期ポイントの役割を削除してください。詳細については、「https://aka.ms/removeAIsyncpointrole」を参照してください。
[完了 (警告あり)]:リソース アクセス ポリシーの共同管理ワークロード スライダーを Intune に移行します。証明書登録ポイント サイト システムの役割と、Configuration Manager 内の会社のリソース アクセス機能のすべてのポリシーを削除します。これらの機能は、2022 年 3 月の時点では Configuration Manager でサポートされなくなりました。会社のリソースへのアクセスには、電子メール、証明書、VPN、Wi-Fi、Windows Hello for Business プロファイルが含まれます。詳細については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2186198 を参照してください。
[完了 (警告あり)]:HTTPS/Enhanced HTTP で構成されたサイト サーバーでは、ネットワーク アクセス アカウントが必須ではありません。このアカウントの最小限の適切なアクセス許可を確認し、より高い特権を持つアカウントを削除してください。利用されていない構成済みのネットワーク アクセス アカウントを削除することをお勧めします。ネットワーク アクセス アカウントの必要なアクセス許可の詳細については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2210348 を参照してください。 - 前提条件で失敗になっている Microsoft ODBC driver 18 for SQL の対処を行います。このサイトに行き、最新の Microsoft ODBC driver 18 for SQL をダウンロードします。今回は、x64 版の日本語をダウンロードします。
- インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているため実行前に解除します。
- ウィザードに従い、インストールします。
- [使用許諾契約書] を読み、[同意する] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [機能の選択] では、既定のまま、[次へ] を選択します。
- [インストール] を選択します。
- インストールが完了後、[完了] を選択して、ウィザードを閉じます。
- 再度、Configuration Manager コンソールに戻り、前提条件チェックを再実行します。
- 下記画面のように、[前提条件チェックに合格しましたが警告が発生しました] の状態になりました。警告であるため、そのまま、[更新プログラム パックのインストール] を選択します。
- [Configuration Manager 更新ウィザード] が起動しますので、[前提条件チェックの警告をすべて無視し、要件を満たしていなくてもこの更新プログラムをインストールします。] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [機能] にて、そのまま [次へ] を選択します。
- [クライアント更新プログラムの設定] にて、既定の [検証なしでアップグレードする] を選択し、[次へ] を選択します。
- [ライセンス条項] にて、[ライセンス条項およびプライバシーに関する声明に同意する] を選択し、[次へ] を選択します。
- [クラウドアタッチ] では、既定のまま、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- ウィザードを [閉じる] で閉じます。アップグレード作業が開始されます。
- アップグレード進行状況は、[監視] > [概要] > [更新とサービスの状態] にて確認することができます。
- アップグレード完了後に、Configuration Manager コンソールを開くと、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
- Configuration Manager コンソール更新後、バージョン情報を確認すると Microsoft Configuration Manager CB 2309 にアップグレードされていることを確認できます。
<まとめ>
今回は、Microsoft Configuration Manager CB 2309 について取り上げました。今回のバージョンでは、Microsoft ODBC driver 18 for SQL のインストールが重要になってきますので、ご留意ください。