Configuration Manager Server の SQL Server アップグレード

皆さん、こんにちは。

今回は、Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM, SCCM, Configuration Manager) のサーバー環境にインストールする、SQL Server をアップグレードする手順を紹介したいと思います。

Microsoft Endpoint Configuration Manager のバージョンが上がるにつれ、求められる SQL Server のバージョンも上がってきています。

今回は、私の検証環境の Microsoft Endpoint Configuration Manager 環境の SQL Server をアップグレードしていきます。

<環境>

・ Microsoft Endpoint Configuration Manager Current Branch 2111 (KB12896009 適用済み)

・ Windows Server 2016 (14393.5006)

・ SQL Server 2016 (13.0.4259.0) > SQL Server 2019

<概要>

まず、公式ドキュメントを確認しておきましょう。

Configuration Manager をサポートするオンプレミス インフラストラクチャのアップグレード

Configuration Manager SQL Serverサポートされているバージョン

ドキュメントを確認すると、SQL Server 2019 へのアップグレードもサポートされています。

<SQL Server アップグレード手順>

  1. まず、Microsoft Endpoint Configuration Manager Server のバックアップを取って起きましょう。これは、もし、アップグレードに失敗した際に戻すためにとても重要です。
    バックアップ手順はお任せしますが、仮想環境のスナップショットの場合は OS を落とした状態で取得されることをお勧めします。
  2. Microsoft Endpoint Configuration Manager Server 環境にログインし、Microsoft SQL Server Management Studio を起動して、SQL Server バージョンを確認します。

    SQL Server とそのコンポーネントのバージョン、エディション、および更新プログラムのレベルを確認する
    13.0.xxxx だと、SQL Server 2016 ですね。

  3. [services.msc] (サービス) を起動します。
  4. Microsoft Endpoint Configuration Manager にて OS 展開や重要なタスクを実行していないことを確認します。(この後の操作で Microsoft Endpoint Configuration Manager のサービスをすべて停止します。)
  5. SMS で始まるサービスを探します。
  6. [SMS Agent Host] を開き、[停止] を選択します。
  7. 次に、[スタートアップの種類] を [無効] に選択し、[OK] を選択します。
  8. この操作を [SMS_EXECUTIVE]、[SMS_NOTIFICATION_SERVER]、[SMS_SITE_BACKUP]、[SMS_SITE_COMPONENT_MANAGER]、[SMS_SITE_SQL_BACKUP]、[SMS_SITE_VSS_WRITER] に対して実施します。
  9. また、私の検証環境では、SUSDB (WSUS データベース) も SQL Server でホストしているため、[WSUS Service] もサービスを [停止] して、無効化します。
  10. SQL Server 2019 のメディアをサーバーに挿入します。
  11. [setup.exe] を実行します。
  12. SQL Server インストール センターが起動しますので、左側から [インストール] を選択し、[以前のバージョンの SQL Server からアップグレード] を選択します。
  13. プロダクト キーの入力画面が表示されますので、適切なプロダクト キーを入力し、[次へ] を選択します。
  14. ライセンス条項が表示されますので、[ライセンス条項と次に同意します] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
  15. セットアップ ファイルのインストールが始まります。
  16. インスタンスの選択にて、アップグレードするインスタンスを選択します。
    (今回は、[MSSQLSERVER] を選択します)
  17. Reporting Services の移行にて、この環境には、Reporting Services がインストールされているので、警告が表示されます。
  18. Reporting Services をアンインストールする前に既存の Reporting Services のコンソールを開き、暗号化キーをバックアップします。
  19. 暗号化キーのバックアップ先の場所とパスワードを設定して、[OK] を選択します。
  20. 暗号化キーのバックアップが終わったら、[Reporting Services をアンインストールします。] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
  21. [機能の選択] にて、[次へ] を選択します。
  22. [インスタンスの構成] においても、[次へ] を選択します。
  23. 最後に、[アップグレードの準備完了] が表示されますので、内容を確認して、[アップグレード] を選択します。

  24. アップグレードが完了すると、以下の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
    私の検証環境では、約 10 分でアップグレード完了しました。
  25. Microsoft SQL Server Management Studio を起動して、バージョンが新しくなっていることを確認します。
  26. アンインストールした、Reporting Services を再インストールしましょう。
    下記サイトにアクセスし、Microsoft SQL Server 2019 Reporting Services を入手します。
    https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=100122
  27. ダウンロードしたファイルには、Zone ID が付いているため、ダウンロードしたファイルを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
  28. [ブロックの解除] を選択し、[OK] で画面を閉じます。
  29. インストーラーを起動します。[Reporting Services のインストール] を選択します。
  30. SQL Server のプロダクト キーを入力し、[次へ] を選択します。
  31. ライセンス条項を読み、[ライセンス条項に同意する] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
  32. [Reporting Services のみをインストール] にチェックが入っていることを確認し、[次へ] を選択します。
  33. [インストール先の指定] にて、既定の場所のまま、[インストール] を選択します。

  34. インストールが完了すると、下記の画面が表示されますので、[レポート サーバーの構成] を選択します。
    私の検証環境では、約 1 分程度でインストール完了しました。
  35. [接続] を選択します。
  36. [データベース] を選択し、中央にある、[データベースの変更] を選択します。
  37. [レポート サーバー データベース構成ウィザード] が起動しますので、[既存のレポート サーバー データベースを選択する] を選択し、[次へ] を選択します。
  38. [データベース サーバー] にて、自身を選択し、[接続テスト] を実施後、[次へ] を選択します。
  39. [データベース] にて、[レポート サーバー データベース] を以前利用していたレポート サーバーのデータベースを選択し、[次へ] を選択します。
  40. [資格情報] は既定のまま、[次へ] を選択します。
  41. [概要] にて、設定内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
  42. データベースの変更が終わると、下記の画面が表示されますので、[完了] を選択します。
  43. 下記のように表示されていれば、データベースの変更は正常に終わっています。
  44. [Web サービス URL] にて、下部の [適用] を選択します。


    ※ 警告が表示される場合があります。
  45. [暗号化キー] にて、[復元] を選択します。
  46. SQL Server アップグレード前にバックアップしておいた暗号化キーを使用します。
  47. 暗号化キーの復元が正常に成功します。
  48. その後、Web ブラウザーで、レポートが正しく表示されることを確認します。
  49. 最後に、最初のステップにて停止していたサービスを開始させます。
  50. その後、Reporting Services が正しく動作しているか、Configuration Manager コンソールから [レポート] を表示させたところ、下記のエラーになりました。
    このトラブルシューティングは次回にしたいと思います。
    Reporting Services はエラーになりましたが、Configuration Manager の全体の動作は SQL Server アップグレード後問題なさそうです。

<まとめ>

今回、Microsoft Endpoint Configuration Manager のサーバー上で稼働している SQL Server をアップグレードしました。今後ご使用中のバージョンの SQL Server によっては、Microsoft Endpoint Configuration Manager でサポート対象外になることも想定されるため、早めに SQL Server のアップグレードを検討された方が良いと思います。

今回は、Reporting Services もアップグレードしましたが、こちらはエラーが発生してしまいました。トラブルシューティングは次回以降行おうと思います。皆さんはトラブルに遭遇しませんように。