WSUS を用いた新元号対応の更新プログラムの配信方法の紹介

皆さん、こんにちは。

今回は、WSUS (Windows Server Update Services) ネタです。昨日 (2019/04/26)、公開された新元号対応の更新プログラムの配信を WSUS 経由で行う際の手順について紹介したいと思います。

まずは、公開された更新プログラムのおさらいです。

<新元号対応の更新プログラム>

2019/05/08 更新
今回リリースされた、新元号対応の更新プログラムにてフォントの変更に伴い、一部で不具合の報告が上がっています。

2019/4/26のWindows 新元号（令和）対応パッチでのフォント変更？での不具合調査（Windows 7, 10 1803, .NET, Excel） [Qiita]

When applying the CU described in “new Japanese era Windows updates-KB 4469068”, the Form And Control width of a Windows Forms application using MS UI Gothic becomes larger (Rate “1.1666”) [Developer Community]

2019/5/4のアップデート以降、Excelファイルの列の幅が縮んで表示される [マイクロソフト コミュニティ]

2019/05/15 更新

2019 年 5 月の月例セキュリティ更新プログラムにて、上記のフォントの不具合の修正がされました。これにより、下記に紹介する、5 月の月例セキュリティ更新プログラムを適用すれば、新元号対応と報告されていたフォントの不具合が修正されます。

Addresses an issue that may cause the text, layout, or cell size to become narrower or wider than expected in Microsoft Excel when using the MS UI Gothic or MS PGothic fonts.

May 14, 2019—KB4494441 (OS Build 17763.503) [Microsoft サポート]

2019 年 5 月の月例セキュリティ更新プログラム一覧

下記の 5 月の月例セキュリティ更新プログラムを適用することでも新元号対応可能です。(セキュリティのみの更新プログラムにも新元号対応が含まれています。)

2019 年 5 月のセキュリティ更新プログラム (月例) [日本のセキュリティチーム]

※ Microsoft Update カタログからのインポート作業が必要なのは、4 月にリリースされた新元号対応の更新プログラムです。5 月の月例セキュリティ更新プログラムはインポート作業は必要ありません。

上記の更新プログラムがリリースされました。

しかし、更新プログラムによっては WSUS に同期されず、既定では、WSUS から配信ができません。その場合は手動にて Microsoft Update カタログ サイトからインポート作業をする必要があります。

[製品と分類] にて分類の [更新] と対象の製品が選択されていれば、マンスリー ロールアップのプレビューは WSUS に同期されます。しかし、Windows 10 向けの今回の更新プログラムは Microsoft Update カタログ サイトからインポート作業が必要になります。また、Windows 7 においても、分類にて [更新] を選択していない場合、Microsoft Update カタログ サイトからインポート作業が必要になります。

※ 上記のスクリーン ショットのように今回リリースされた更新プログラムを検索しても検索結果に引っかかりません。

<Microsoft Update カタログ サイトからインポート作業>

1. Windows Server Update Services (WSUS) 管理コンソールを起動し、左上から WSUS のコンピューター名を選択します。その後、右側のメニューから [更新のインポート] を選択します。
   
2. Internet Explorer にて、Microsoft Update カタログ サイトが開きます。初回に開いた際には下記の画面のように、アドオンのインストールが要求されますので、[インストール] を選択します。
   
3. Internet Explorer のセキュリティ警告が表示されますので、[インストールする] を選択します。
   
4. アドオンのインストールが終わったら、右上の検索ボックスにインポートする更新プログラムの KB 番号を入力します。(新元号対応の更新プログラムの場合、ページ上部にて KB 番号を記載していますので、ご参照ください。)
   KB 番号入力後、右側の [検索] を選択します。
   
5. 対象の更新プログラムが表示されます。(この例では、KB4493453 を検索しています)
   必要な更新プログラムを見つけ、右側の [追加] ボタンを選択します。
   
6. [追加] 選択後、[バスケットの表示] を選択します。
   
7. [直接インポート Windows Server Update Services] にチェックが入っていることを確認し、[インポート] を選択します。
   
8. インポートが完了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択し、画面を閉じます。
   

上記手順にて、WSUS にカタログ情報がインポートされましたので、WSUS 管理コンソールにインポートした更新プログラムが表示されます。後は、通常の更新プログラム同様に [承認] をして各クライアントに配信することができます。

<WSUS 承認作業 (WSUS からクライアントに更新プログラムを配信する)>

1. Windows Server Update Services (WSUS) 管理コンソールを起動して、左上のメニューから [更新プログラム] を選択します。その後、右クリックにて [検索] を選択します。
   
2. [文字列] にインポートした更新プログラムの KB 番号を入力し、[検索開始] を選択します。検索後、下記の画面が表示されます。
   
3. 対象の更新プログラムを選択し、右クリックにて [承認] を選択します。
   
4. [更新プログラムの承認] 画面が表示されます。
   
5. 配信対象のグループを選択し、右クリックにて [インストールの承認] を選択します。
   
6. [インストールの承認] を選択したグループは緑色のチェック マークが付きます。チェック マークが付いたことを確認し、[OK] で画面を閉じます。
   
7. 承認が正常に完了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
   

あとは承認した更新プログラムがバックグラウンドで更新プログラムの実体をダウンロードしてくるのを待ちます。

更新プログラムのダウンロードが終わると、対象のグループに属するクライアントに更新プログラムが配信されます。

<まとめ>

今回は、WSUS に同期されてこない更新プログラムの配信方法について紹介しました。

新元号対応の更新プログラムに限らず、WSUS に同期されない更新プログラムは存在するので、必要に応じて Microsoft Update カタログ サイトからインポートする作業を実施ください。今回の方法が少しでも参考になれば幸いです。

最後に、ゴールデンウィーク中に新元号の対応をされる方は本当にお疲れさまです。無事、作業が完了することをお祈りしております。