皆さん、こんにちは。
今回は、各クライアント コンピューターのローカル管理者アカウントのパスワードを管理する方法を紹介したいと思います。
今回ご紹介する Local Administrator Password Solution (LAPS) を使うとドメイン傘下のコンピューターのローカル管理者アカウントのパスワードを定期的に自動更新する事が出来ます。
ローカル管理者アカウントのパスワードは Active Directory のスキーマに記録されます。
また、GUI が用意されていて各コンピューターのローカル管理者アカウントのパスワードを知る事も出来ます。
【LAPS 導入手順】
- Microsoft Download Center から LAPS (Local Administrator Password Solution) をダウンロードします。
Local Administrator Password Solution (LAPS)
64 ビット環境に導入するため、[LAPS.x64.msi] をダウンロードします。
- 管理用コンピューターにログオンします。今回の例では、ドメイン コントローラー上のコンピューターでセットアップします。
ドメイン コントローラーのコンピューターにログオンし、ダウンロードしたファイルを任意の場所にコピーします。
- インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているためインストール前に解除します。ファイルの [プロパティ] を選択します。
- [ブロックの解除] を選択します。
- ブロックが解除できたら、ダウンロードしてきた msi を実行します。
- セットアップ画面が表示されますので、[Next] で次に進みます。
- [End-User License Agreement] が表示されますので、読み、[I accept the terms in the License Agreement] をにチェックを入れ、[Next] を選択します。
- [Custom Setup] にて、管理コンピューターには、[Management Tools] をインストールする必要があるため、選択し直します。
- 下記のように選択出来たら、[Next] を選択します。
- [Ready to install Local Administrator Password Solution] 画面にて、[Install] を選択します。
- インストールが終わると下記の画面が表示されますので、[Finish] を選択し、インストール ウィザードを終了します。
- 次に、PowerShell を管理者権限で起動し、下記のコマンドを実行し、Local Administrator Password Solution 用のモジュールを読み込みます。
Import-module AdmPwd.PS
- 次のコマンドでスキーマをアップデートします。
Update-AdmPwdADSchema
- 次のコマンドでコンピューター アカウントのある OU に対して、ms-Mcs-AdmPwdExpirationTime および ms-Mcs-AdmPwd の書き込み権限を付与します。以下の例では、[Workstations] という OU に付与しています。
Workstations の OU の中には下記のようにコンピューターが登録されています。
Set-AdmPwdComputerSelfPermission -OrgUnit Workstations
- 次に、Local Administrator Password Solution 用グループ ポリシーを作成します。もし、グループ ポリシーをセントラル ストアに格納している場合は下記の手順を実行してください。
セントラル ストアについて [Ask the Network & AD Support Team]下記のファイルをコピーします。
C:\Windows\PolicyDefinitions\AdmPwd.admx > C:\Windows\SYSVOL\domain\Policies\PolicyDefinitions\AdmPwd.admx
C:\Windows\PolicyDefinitions\en-US\AdmPwd.adml > C:\Windows\SYSVOL\domain\Policies\PolicyDefinitions\en-US\AdmPwd.adml
- グループ ポリシーの管理ツールを起動します。
- [Workstations] OU にて右クリックで、[このドメインに GPO を作成し、このコンテナーにリンクする] を選択します。
- [新しい GPO] 画面が表示されますので、適宜名前を設定し、[OK] を選択します。
- 作成したグループ ポリシー オブジェクトを選択し、右クリックで [編集] を選択します。
- Local Administrator Password Solution のグループ ポリシーは、[コンピューターの構成] > [ポリシー] > [管理用テンプレート] > [LAPS] に入っています。
- まず、[Enable local admin password management] では、Local Administrator Password Solution を利用するか設定します。利用する場合は、[有効] にチェックを付け、[OK] を選択します。
- [Password Settings] では、パスワードの複雑さやパスワード期限などを決めます。
設定を行い、[OK] を選択します。
- [Do not allow password expiration time longer than required by policy] では、有効の場合、ローカル ポリシーなどでパスワード期限が決められていても無視し、Local Administrator Password Solution の設定に沿う設定になります。
- 以上でサーバー サイドでの設定は完了です。
後は、クライアントにクライアント ソフトウェアをインストールすれば、設定完了です。
クライアント ソフトウェアはサイレント インストールに対応していますので、下記のコマンドでインストール可能です。
msiexec /i <file location>\LAPS.x64.msi /quiet
msiexec /i <file location>\LAPS.x86.msi /quiet
SCCM を使ったインストールの紹介は次回以降に取り上げたいと思います。