SCCM クライアント ピア キャッシュのログの見方

皆さん、こんにちは。

今回は、SCCM の比較的新しい機能であるクライアント ピア キャッシュ (Client Peer Cache) について取り上げたいと思います。

クライアント ピア キャッシュは Current Branch (CB) 1710 で正式リリースされた機能になります。

クライアント ピア キャッシュとは、SCCM クライアントのローカル キャッシュを用いて他のクライアントにコンテンツを共有できる Configuration Manager のソリューションの一つです。Configuration Manager クライアントがインストールされていれば利用できます。

クライアント ピア キャッシュの設定は、ピア キャッシュ ソースというキャッシュをローカルにため込んでおくクライアントに対して行います。ピア キャッシュ ソースからダウンロードするクライアントには特に設定しておく必要がありません。ダウンロードしてくるクライアントはすべての Configuration Manager クライアントがインストールされたクライアントになります。

【クライアント ピア キャッシュ設定方法 (クライアント ピア キャッシュ ソースの設定)】

ピア キャッシュ ソースの設定はクライアント設定にて行います。

  1. Configuration Manager コンソールを開き、[管理] – [概要] – [クライアント設定] を開きます。
  2. 画面上部のリボンから [カスタム クライアント デバイス設定の作成] を選択し、新しいカスタム クライアント デバイス設定を作成します。
  3. [クライアント キャッシュの設定] にチェックを入れ、[クライアント キャッシュの設定] を開きます。[完全な OS 上の Configuration Manager クライアントでコンテンツを共有できるようにする] を [はい] に選択し、[初期ネットワーク ブロードキャスト用ポート] と [ピアからのコンテンツのダウンロード用ポート] は既定のまま、[OK] を選択し、画面を閉じます。
  4. 作成したクライアント設定をクライアント ピア キャッシュのキャッシュ ソースにするクライアントが含まれるデバイス コレクションに展開します。

【クライアント ピア キャッシュのクライアント側でのログの見方】

クライアント ピア キャッシュが動作しているか、クライアント側で確認する場合のログの見方を紹介します。

これは、コンテンツをダウンロードするクライアントのローカルで確認します。

ログを確認する時は、CMTrace というツール (C:\Windows\CCM\CMTrace.exe) を使うとログが見やすくなります。

※ ブログでの紹介用にドメイン名を変更して記載しております。


CAS.log 抜粋


Submitted CTM job {277907A2-4AFA-491F-8A25-34CBE685EADB} to download Content T0100045.2 under context S-1-5-21-2431021283-3617436379-1212375123-1604 ContentAccess 2019/04/07 18:10:54 7764 (0x1E54)
Successfully created download  request {0E0CFCD5-B5E9-41EA-8AA7-A1FBED5154A8} for content T0100045.2 ContentAccess 2019/04/07 18:10:55 7764 (0x1E54)
Download started for content T0100045.2 ContentAccess 2019/04/07 18:10:55 5308 (0x14BC)
Location update from CTM for content T0100045.2 and request {0E0CFCD5-B5E9-41EA-8AA7-A1FBED5154A8} ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 0 – https://tamai-cl02.corp.contoso.com:8003/sccm_branchcache$/t0100045 (Locality: SUBNETPEER) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 1 – https://tamai-cl01.corp.contoso.com:8003/sccm_branchcache$/t0100045 (Locality: SUBNETPEER) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 2 – https://tamai-cl04.corp.contoso.com:8003/sccm_branchcache$/t0100045 (Locality: SUBNETPEER) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 3 – http://tamai-cm01.corp.contoso.com/sms_dp_smspkg$/t0100045 (Locality: SUBNET) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 4 – http://tamai-cm01.corp.contoso.com/nocert_sms_dp_smspkg$/t0100045 (Locality: SUBNET) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Matching DP location found 5 – https://tamai-cm01.corp.contoso.com/ccmtokenauth_sms_dp_smspkg$/t0100045 (Locality: SUBNET) ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Download request only, ignoring location update ContentAccess 2019/04/07 18:10:56 5396 (0x1514)
Download completed for content T0100045.2 under context S-1-5-21-2431021283-3617436379-1212375123-1604 ContentAccess 2019/04/07 18:19:24 4304 (0x10D0)


download Content に記載されているコンテンツ ID をログ上で確認し、確認したいコンテンツのコンテンツ ID が記載されているログの箇所を見つけます。
(上記のサンプル ログでは T0100045.2 になります。)

その箇所に記載されている CTM job の ID をメモします。
(上記のサンプル ログでは 277907A2-4AFA-491F-8A25-34CBE685EADB になります。)

上記ログに記載されている Matching DP location found に記載されているホストがクライアント ピア キャッシュ ソースのホスト名または配布ポイントになります。
上記例だと、一番最初に tamai-cl02.corp.contoso.com クライアントが記載されていますね。これがクライアント ピア キャッシュのソース クライアントになります。
Matching DP location found は、数字の若いものからダウンロードが開始されます。

(http://tamai-cm01.corp.contoso.com は配布ポイントです。それ以外のホストはピア キャッシュ ソースです。)


ContentTransferManager.log 抜粋


Persisted locations for CTM job {277907A2-4AFA-491F-8A25-34CBE685EADB}:
(SUBNETPEER) https://TAMAI-CL02.corp.contoso.com:8003/SCCM_BranchCache$/T0100045
(SUBNETPEER) https://TAMAI-CL01.corp.contoso.com:8003/SCCM_BranchCache$/T0100045
(SUBNETPEER) https://TAMAI-CL04.corp.contoso.com:8003/SCCM_BranchCache$/T0100045
(SUBNET) http://TAMAI-CM01.corp.contoso.com/SMS_DP_SMSPKG$/T0100045
(SUBNET) http://TAMAI-CM01.corp.contoso.com/NOCERT_SMS_DP_SMSPKG$/T0100045
(SUBNET) https://TAMAI-CM01.corp.contoso.com/CCMTOKENAUTH_SMS_DP_SMSPKG$/T0100045 ContentTransferManager 2019/04/07 18:10:56 5388 (0x150C)
CTM job {277907A2-4AFA-491F-8A25-34CBE685EADB} (corresponding DTS job {B16A2D83-BEC4-46E0-B51A-76153CDA676C}) started download from ‘https://TAMAI-CL02.corp.contoso.com:8003/SCCM_BranchCache$/T0100045’ for full content download. ContentTransferManager 2019/04/07 18:10:58 5388 (0x150C)


CAS.log に記載されていた、CTM job の ID に合致する、上記と同様のログを見つけます。
corresponding DTS job に記載された ID をメモします。
(上記のサンプル ログでは B16A2D83-BEC4-46E0-B51A-76153CDA676C になります。)

DataTransferService.log 抜粋

DTS job {B16A2D83-BEC4-46E0-B51A-76153CDA676C} has completed:
Status : SUCCESS,
Start time : 04/07/2019 18:10:58,
Completion time : 04/07/2019 18:19:24,
Elapsed time : 76 seconds DataTransferService 2019/04/07 18:19:24 4304 (0x10D0)

ContentTransferManager.log に記載されていた、DTS job の ID に合致する Job が記載された上記と同様のログの箇所を見つけます。
上記と同様の記載されている箇所に [Elapsed time] という項目がありますので、こちらでダウンロードに要した時間の確認が行えます。

今回はクライアント ピア キャッシュについて紹介しました。筆者はクライアント ピア キャッシュについて、プレリリースの頃から触ってきました。今後の記事でもクライアント ピア キャッシュについて紹介したいと思います。今回は基本編ということでログの見方を紹介しました。

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