皆さん、こんにちは。
別記事でもお知らせしましたが、Windows 11 が正式リリースされましたね!
そこで、今回は、Configuration Manager (Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM) (旧 SCCM)) を用いて、Windows 11 を展開する方法を紹介したいと思います。
Windows 11 を展開する場合も、基本は Windows 10 と同じ手法で展開できます。
<前提条件>
・ Microsoft Endpoint Configuration Manager CB 2107 (Windows 11 対応の Configuration Manager は CB 2107 以降です)
・ Windows 11 ISO ファイル (version 21H2 (22000.194))
・ Windows ADK for Windows 11 (10.1.22000.1)
・ 展開対象のコンピューター (今回は Hyper-V の仮想マシンを利用します)
(Windows Server 2022 の Hyper-V を用いています)
<既存 Windows ADK のアンインストールと Windows ADK for Windows 11 のインストール>
まず、Microsoft Endpoint Configuration Manager のサーバーにログオンして、既存の Windows ADK をアンインストールします。その後、Windows ADK for Windows 11 をインストールします。
- Microsoft Endpoint Configuration Manager のプライマリ サイト サーバーにログオンします。
- コントール パネルの [コントロール パネル\すべてのコントロール パネル項目\プログラムと機能] を開きます。
- [Windows アセスメント & デプロイメント キット – Windows 10] を選択し、右クリックにて、[アンインストール] を選択します。
- 確認画面が表示されますので、[はい] を選択します。
- アンインストールが始まります。
- アンインストールが完了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- 次に、Windows Preinstallation Environment アドオンの Windows ADK をアンインストールします。
コントール パネルに戻り、[Windows アセスメント & デプロイメント キット Windows Preinstallation Environment アドオン – Windows 10] を選択し、右クリックにて、[アンインストール] を選択します。
- 確認画面が表示されますので、[はい] を選択します。
- アンインストールが始まります。
- アンインストールが完了すると、下記の画面が表示されますので、[Close] を選択します。
- Windows ADK の二つ ([Windows アセスメント & デプロイメント キット – Windows 10] および [Windows アセスメント & デプロイメント キット Windows Preinstallation Environment アドオン – Windows 10]) がアンインストール完了したら、サーバーの OS を再起動させます。
- 下記のサイトにアクセスして、Windows ADK for Windows 11 をダウンロードします。
Download and install the Windows ADK | Microsoft Docs
※ [Download the Windows ADK] および [Download the WinPE add-on for the Windows ADK] をダウンロードします。 - ダウンロードした、Windows ADK の Zone ID を削除します。
ダウンロードした Windows ADK を選択し、右クリックにて、[プロパティ] を選択します。(ファイル名を一部変更しています。adksetup.exe > adksetup_Windows_11.exe)
- [ブロックの解除] を選択し、[OK] を選択します。
- Zone ID を削除できたら、Windows ADK を [管理者として実行] を選択します。
- [このコンピューターに Windows アセスメント & デプロイメント キットをインストールします] を選択し、[次へ] を選択します。
- [Windows キット プライバシー] にて、必要に応じて選択し、[次へ] を選択します。
- [使用許諾契約] にて、契約を読み、[同意する] を選択します。
- 機能選択の画面にて、必要な機能を選択します。
[Deployment Tools] および [User State Migration Tool (USMT)] だけが必要です。
(下記画面では、VAMT も選択していますが、これは VAMT を別用途で利用しているため、選択しているだけです)
機能選択後、[インストール] を選択します。
- インストールが始まります。
- インストールが完了すると、下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Windows ADK をダウンロードしたフォルダーに戻り、PE の Windows ADK のインストーラーの Zone ID を削除します。
ダウンロードした、インストーラーを選択し、右クリックにて、[プロパティ] を選択します。
- [ブロックの解除] を選択し、[OK] で閉じます。
- インストーラーを選択し、[管理者として実行] を選択します。
- [Install the Windows アセスメント & デプロイメント キット Windows Preinstallation Environment アドオン on this computer] を選択し、[Next] を選択します。
- [Windows Kits Privacy] にて、必要に応じて選択し、[Next] を選択します。
- [License Agreement] にて、ライセンス条項を読み、[Accept] を選択します。
- 機能選択の画面は、そのまま、[Install] を選択します。
- インストールが始まります。
- インストールが終わると、下記の画面が表示されますので、[Close] で閉じます。
- その後、OS を再起動させます。
<ブート イメージの更新>
Windows ADK を更新したので、ブート イメージもその Windows ADK イメージを用いて更新を行います。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [ブート イメージ] を開きます。
- 使用しているブート イメージを選択します。(特に無い場合は、[Boot image (x64)] を選択します。)
※ 下記のスクリーン ショットでは、カスタム ブート イメージの [WinPE-A21-9VX38-x64] を選択しています。
- 選択したブート イメージを右クリックにて、[配布ポイントの更新] を選択します。
- 配布ポイントの更新ウィザードが起動しますので、[全般] にて、[このブート イメージを Windows ADK の現在の Windows PE バージョンを使用して再度読み込む] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、操作内容を確認し、[次へ] を選択します。
- 処理が始まると、下記のような画面が表示されます。
- 完了すると、下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Configuration Manager コンソールに戻り、ブート イメージが更新されたことを確認します。
<Windows 11 の WIM ファイルの取り込み>
次に、Windows 11 の WIM ファイルを Configuration Manager に取り込みます。Windows 11 の ISO ファイルを用います。
- Microsoft Endpoint Configuration Manager のプライマリ サイト サーバーに Windows 11 の ISO ファイルを挿入します。
下記では、D ドライブに挿入しています。
- 挿入したドライブの配下の下記のパスのファイルを見つけます。(D ドライブ想定)
“D:\sources\install.wim”
- install.wim を Microsoft Endpoint Configuration Manager で利用する共有フォルダー (パッケージのソース フォルダー) にコピーします。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [オペレーティング システム イメージ] を開きます。
その後、[オペレーティング システム イメージの追加] を選択します。
- [オペレーティング システム イメージの追加ウィザード] が開きますので、[パス] の右側の [参照] を選択します。
- 先ほど WIM ファイルを格納したパスを選択します。(ネットワーク パスで選択します。例 : \\サーバー名\共有フォルダー\パス\install.wim)
- その後、[オペレーティング システム イメージの追加ウィザード] に戻りますので、[このチェックボックスをオンにすると、…] をにチェックを入れます。
また、今回は Windows 11 の Enterprise Edition を展開するので、[指定された WIM ファイルから特定のイメージ インデックスを抽出する] を選択し、[2 – Windows 10 Enterprise] を選択します。
(※ Windows 11 の WIM を選択していますが、イメージ インデックスは Windows 10 のままです (涙))
- 下記のような画面になったら、[次へ] を選択します。
- [事前キャッシュ設定] では、[アーキテクチャ] を [x64] にし、言語を [日本語 (日本)] に設定します。選択できたら、[次へ] を選択します。
- [全般] では、名前などを入力します。(イメージ インデックスから名前が既定で設定されているので、二枚目の画面のように設定します。)
入力後、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- イメージの追加が始まります。
- 完了すると、下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
<Windows 11 の タスク シーケンスの作成>
これで、やっと、タスク シーケンスが作成できるようになりました。
既存のタスク シーケンスをコピーして、[オペレーティング システム イメージの適用] ステップのイメージ パッケージを置き換える方法でも対応は可能です。今回は、最初からタスク シーケンスを作成します。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
その後、[タスク シーケンスの作成] を選択します。
- タスク シーケンスの作成ウィザードが起動しますので、[既存のイメージ パッケージをインストールする] を選択し、[次へ] を選択します。
- [タスク シーケンス情報] にて、[タスク シーケンス名] を適宜設定し、[ブート イメージ] の右側にある、[参照] を選択します。
- <ブート イメージの更新> 項目で更新したブート イメージを選択します。
※ 下記では、[WinPE-A21-9VX38-x64] を選択しています。
- 必要に応じて、[高パフォーマンスの電源プランとして実行する] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [Windows のインストール] にて、イメージ パッケージの右側の [参照] を選択します。
- <Windows 11 の WIM ファイルの取り込み> 項目で作成したオペレーティング システム イメージを選択し、[OK] を選択します。
- [Windows のインストール] にて、必要に応じて、ローカル管理者パスワードなどを設定し、[次へ] を選択します。
- [ネットワークの構成] にて、ドメインに参加するので、[ドメインに参加] にチェックを入れ、必要事項を入力し、設定します。その後、[次へ] を選択します。
- [Configuration Manager のインストール] では、既定のまま、[次へ] を選択します。
- [状態移行] にて、今回は USMT を使わないので、[ユーザー設定とファイルをキャプチャする] のチェックを外し、[次へ] を選択します。
- [更新プログラムを含める] にて、今回はタスク シーケンス実行中に更新プログラムを適用しないので、[ソフトウェア更新プログラムをインストールしない] にチェックを入れたまま、[次へ] を選択します。
- [アプリケーションのインストール] も、既定のまま、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、設定内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- 作成が完了すると、下記画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- その後、作成したタスク シーケンスを必要に応じて、編集します。
下記では、タスク シーケンス展開時にコンピューター名を付与する方法【HTA 編】 で作成した HTA を追加しています。
また、フィードバックした機能が製品に採用されました! – Configuration Manager 編 で紹介している、日本語キーボード設定も追加しています。
<Windows 11 タスク シーケンスのコンテンツの配布と展開>
作成した Windows 11 のタスク シーケンスに関連付いてる、コンテンツを配布することと、タスク シーケンスを展開するタスクを実施します。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
- その後、作成したタスク シーケンスを選択し、右クリックにて、[コンテンツの配布] を選択します。
- [コンテンツの配布ウィザード] が表示されるので、[次へ] を選択します。
- タスク シーケンスに紐付いている、コンテンツが表示されるので、正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- [コンテンツの配布先] にて、右側の [追加] から、[配布ポイント] を選択します。
- 対象の配布ポイントを選択し、[OK] を選択します。
- 配布ポイントが選択されたことを確認し、[次へ] を選択します。
- [概要] にて内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- コンテンツの配布準備が整うと、下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。※ コンテンツの配布には時間がかかります。
コンテンツの配布を行ってから、少し時間を置いて、タスク シーケンスの展開をします。
- Configuration Manager コンソールを開き、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
その後、Windows 11 のタスク シーケンスを選択し、右クリックにて、[展開] を選択します。
- [ソフトウェアの展開ウィザード] が開くので、[コレクション] の右側にある [参照] を選択します。
- 今回の場合、新規の VM に展開する予定なので、[すべての不明なコンピューター] コレクションを選択し、[OK] を選択します。
- [すべての不明なコンピューター] が選択されていることを確認し、[次へ] を選択します。
- PXE で展開するので、[利用できるようにする項目] を [メディアと PXE のみ] に選択し、[目的] が [利用可能] になっていることを確認し、[次へ] を選択します。
- [スケジュール] は、今すぐ展開するので、そのまま、[次へ] を選択します。
- [ユーザー側の表示と操作] は特に変更せず、[次へ] を選択します。
- [アラート] も特に変更しないで、[次へ] を選択します。
- [配布ポイント] も特に変更しないまま、[次へ] を選択します。
- [概要] にて、設定内容が正しいことを確認し、[次へ] を選択します。
- タスク シーケンスの展開が完了すると、下記画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
<Windows 11 の展開 (Hyper-V VM)>
やっと、Windows 11 が展開できるようになりました。今回は物理マシンではなく、Hyper-V を用いた仮想マシンへの展開です。Windows 11 からはシステム要件が厳しくなっているので、Hyper-V の仮想マシンとして展開する場合は注意が必要です。
まず、仮想マシンの世代は、[第 2 世代] を選択してください。
次に、仮想マシンを作成した後に、[セキュリティ] の項目にて、[トラステッド プラットフォーム モジュールを有効にする] を選択してください。
OS 展開後
<まとめ>
今回は、Microsoft Endpoint Configuration Manager を用いて Windows 11 を展開する方法をご紹介いたしました。基本的には、Windows 10 と同様の手法が使えます。OS 展開に伴い、細かい設定 (例えば、スタート ボタンを真ん中ではなく、左側に表示させる等) は Windows 11 固有の設定になります。多くが、レジストリで設定可能ですので、機会をみてこのブログでも紹介できればと思います。まずは、皆さん Windows 11 の評価を開始してみてはいかがでしょうか。