Configuration Manager Current Branch 2107 がリリースされました!

皆さん、おはようございます。

今回は、日本時間 2021/08/03 (米国時間 : 2021/08/02) にリリースされた、Configuration Manager (Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM) (旧 SCCM)) Current Branch (CB) 2107 について紹介したいと思います。

今回も、公式ブログ サイトにて、リリースについて取り上げられています。

前回、案内しましたが、ナンバリングの法則が変わっています。(xx03, xx07, xx11 へ変更)

Configuration Manager CB 2107 の新機能については、Microsoft Docs に記載されています。

What’s new in version 2107 of Configuration Manager current branch

今回のリリースでは、コレクションからマシンが外れると、アプリケーションが自動的にアンインストールされる機能や Windows 11 や Windows Server 2022 のサポートなどがあります。また、OS 展開の際に、日本語キーボードを設定できる機能なども追加されています。

<Early update ring について>

今回もまたそうですが、Configuration Manager は、リリース当初は、Early update ring と呼ばれるリングに、PowerShell のスクリプトを実行してオプトインしないと Configuration Manager CB 2107 にはアップグレードできません。そのため、一定期間 (数週間) は下記の手順に従ってアップグレードを行う必要があります。

※ Configuration Manager CB 2107 にアップグレードする場合は、Configuration Manager CB 2002 以降を実行している必要があります。

<事前準備 : Windows ADK の更新>

必要に応じて、Configuration Manager サーバーのアップグレード前に、Windows ADK を更新してください。Configuration Manager Current Branch 2107 がサポートしている Windows ADK は、Windows ADK for Windows 10 バージョン 2004、Windows ADK for Windows Server 2022、Windows ADK for Windows 11 です。(今回のバージョンでは、下位互換される ADK はありませんので、ご注意ください。)

そのため、Configuration Manager Current Branch 2107 にアップグレードする場合は、Windows ADK for Windows 10 を 2004 以降にしてください。

Support for the Windows ADK in Configuration Manager

<Configuration Manager CB 2107 へのアップグレード方法 (Early update ring 編)>

※ 2021/08/24 (日本時間) に一般公開されましたので、opt-in script の実行は不要になりました。項番 8 以降から実施ください。

  1. こちらのサイトにアクセスし、[Version 2107 opt-in script] をダウンロードします。

  2. インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているため実行前に解除します。ファイルの [プロパティ] を選択します。
  3. [ブロックの解除] を選択します。
  4. [EnableEarlyUpdateRing2107.exe] を実行します。
  5. PowerShell スクリプトの展開先を選びます。既定では、同じフォルダーに展開されるようになっています。展開先を [Browse] で選択後、[OK] を選択します。
    ※ ここでは、[C:\EnableEarlyUpdateRing2107] を選択しています。
  6. PowerShell が展開されると、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
  7. PowerShell を管理者権限で起動し、PowerShell スクリプトを展開した先に移動後、下記のコマンドを実行します。
    .\enableearlyupdatering2107.ps1 <サイト サーバー名 or CAS サーバー名>

  8. Configuration Manager コンソールを開き、[管理] > [概要] > [更新とサービス] を開きます。自動的に Configuration Manager CB 2107 がダウンロードされ、[インストールの準備完了] になりますが、ならない場合は、上部のリボンから [更新プログラムの確認] を選択します。
    ※ 必要に応じて [ダウンロード] も選択してください。
    ※ 画面はダウンロード前の画面です。
  9. タブの [状態] が [インストールの準備完了] になったら、上部のリボンから [前提条件チェックを実行] を選択します。
  10. 今回は、前提条件チェックにて、警告が表示されました。
  11. [監視] > [概要] > [更新とサービスの状態] にて詳細な情報を確認します。
    今回の警告の一つ目は、.NET Framework 4.8 がインストールされていないことの警告でした。こちらについては、以前の記事でも紹介しているように、.NET Framework 4.8 が推奨されるバージョンになりました。

    もう一つの警告は、Configuration Manager CB 2103 の時にも紹介した HTTP-only の設定に関する警告です。こちらも以前の記事で紹介しています。
  12. 今回は、警告のうち、.NET Framework 4.8 について対応します。(HTTP-only はあえて今回は対応しません)
    まず、下記のサイトに行き、.NET Framework 4.8 をダウンロードします。
    Download .NET Framework 4.8今回は、オフライン インストーラーを使って対応してみたいと思います。
    下記の枠で囲ったものをダウンロードします。(サーバー環境が日本語環境を想定しています。そのため、日本語のランゲージ パックもダウンロードしています。)
  13. ダウンロードすると下記のようになります。
  14. インターネットからダウンロードしてきたファイルなので、Zone ID が付いているので、右クリックから [プロパティ] を選択し、[ブロックの解除] を選択します。
  15. [ndp48-x86-x64-allos-enu.exe] を右クリックにて、[管理者として実行] を選択します。
  16. インストール ウィザードが起動するので、ライセンス条項を読んで、[同意する] にチェックを入れ、[インストール] を選択します。
  17. インストールが完了すると、下記の画面が表示されます。[完了] を選択します。
  18. 再起動要求画面が表示されるので、問題なければ、[今すぐ再起動] を選択します。
  19. 再起動後、[ndp48-x86-x64-allos-jpn.exe] を右クリックにて、[管理者として実行] を選択して、実行します。
  20. インストール ウィザードが起動するので、ライセンス条項を読んで、[同意する] にチェックを入れ、[インストール] を選択します。

  21. インストールが完了すると、下記の画面が表示されるので、[完了] を選択します。
  22. 再起動要求画面が表示されるので、問題ないことを確認して、[今すぐ再起動] を選択します。
  23. OS 再起動後、Windows Update を実施して、.NET Framework を最新状態に更新しておきます。
  24. OS 再起動、再度、[前提条件チェックを実行] を選択し、前提条件チェックを再度実施します。
    警告が HTTP-only に関するものだけになっていることを確認します。
  25. [管理] > [概要] > [更新とサービス] に戻り、Configuration Manager 2107 を選択し、[更新プログラム パックのインストール] を選択します。
  26. 今回は、HTTP-only の警告を無視して進めるため、[前提条件チェックの警告をすべて無視し、要件を満たしてなくてもこの更新プログラムをインストールします。] にチェックを入れて、[次へ] を選択します。
  27. [機能] タブはそのまま、[次へ] を選択します。
  28. [クライアント更新プログラムの設定] にて [検証なしでアップグレードする] を選択し、[次へ] を選択します。
  29. [ライセンス条項] タブでは、[ライセンス条項およびプライバシーに関する声明に同意する] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
  30. [概要] タブでは、設定内容が正しいことを確認して、[次へ] を選択します。
  31. 正常に終了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
    アップグレード作業が開始されます。
  32. アップグレード進行状況は、[監視] > [概要] > [更新とサービスの状態] にて確認することができます。
  33. アップグレード完了後に、Configuration Manager コンソールを開くと、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
  34. Configuration Manager コンソール更新後、バージョン情報を確認すると Microsoft Endpoint Configuration Manager CB 2107 にアップグレードされていることを確認できます。

<余談>

今回の Configuration Manager CB 2107 にて、私が以前フィードバックした機能が搭載されました。(Support layered keyboard driver during OS deployment)

これは非常に嬉しいことです。フィードバックに参加いただいた方およびマイクロソフトの開発チームの方に感謝いたします。この機能については、時間があれば、別記事にて紹介したいと思います。

これで、日本語や韓国語を使う組織の管理者の手間が少しでも減ることに期待したいと思います。
タスク シーケンスの設定で [オペレーティング システム イメージの適用] タスクの下部に、[レイヤー ドライバーを選択する] が追加されています。これが新機能です。

<まとめ>

今回の CB 2107 でも、前提条件チェックにて、.NET Framework 4.8 のチェックが実施されるなど、前提条件が追加されるようになってきています。今後も同様の追加があるのではないかと予想されます。新しい、CB を導入する際は、前提条件チェックに注意してみてください。(できるだけ、変更点については、このブログでも紹介できればと思います。)

また、今回のバージョンにて、自分がアイディアを共有した機能が追加されたことは非常に嬉しいことです。今後も有益なフィードバックを実施できればと思います。