皆さん、おはようございます。
今回は、日本時間 2021/04/06 (米国時間 : 2021/04/05) にリリースされた、Configuration Manager (Microsoft Endpoint Configuration Manager (MECM) (旧 SCCM)) Current Branch (CB) 2103 について紹介します。
今回も、公式ブログ サイトにても、リリースについて取り上げられています。
今回のリリースから、ナンバリングの法則が変わりました。
今まで、xx02、xx06、xx10 という形でしたが、今後は xx03、xx07、xx11 というナンバリングになります。
2103 の新機能については、Microsoft Docs に記載されています。
What’s new in version 2103 of Configuration Manager current branch
今回も、Tenant Attach の新機能やアプリケーション展開を無効にできる機能やタスク シーケンスを用いた、機能更新プログラムの展開など、新機能盛りだくさんです。
<Early update ring について>
今回もまたそうですが、Configuration Manager は、リリース当初は、Early update ring と呼ばれるリングに、PowerShell のスクリプトを実行してオプトインしないと Configuration Manager CB 2103 にはアップグレードできません。そのため、一定期間 (数週間) は下記の手順に従ってアップグレードを行う必要があります。
※ Configuration Manager CB 2103 にアップグレードする場合は、Configuration Manager CB 1910 以降を実行している必要があります。
<事前準備 : Windows ADK の更新>
必要に応じて、Configuration Manager サーバーのアップグレード前に、Windows ADK を更新してください。Configuration Manager Current Branch 2103 がサポートしている Windows ADK は、Windows ADK for Windows 10 バージョン 2004 のみです。(今回のバージョンでは、下位互換される ADK はありませんので、ご注意ください。)
そのため、Configuration Manager Current Branch 2103 にアップグレードする場合は、Windows ADK for Windows 10 を 2004 にしてください。
Support for Windows 10 in Configuration Manager
<Configuration Manager CB 2103 へのアップグレード方法 (Early update ring 編)>
※ 2021/04/20 以降は、項番 8 以降を実施いただければと思います。(opt-in スクリプトは必要ありません)
- こちらのサイトにアクセスし、[Version 2103 opt-in script] をダウンロードします。
- インターネットからダウンロードしてきたファイルには Zone ID が付与されているため実行前に解除します。ファイルの [プロパティ] を選択します。
- [ブロックの解除] を選択します。
- [EnableEarlyUpdateRing2103.exe] を実行します。
- PowerShell スクリプトの展開先を選びます。既定では、同じフォルダーに展開されるようになっています。展開先を [Browse] で選択後、[OK] を選択します。
※ ここでは、[C:\EnableEarlyUpdateRing2103] を選択しています。
- PowerShell が展開されると、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
- PowerShell を管理者権限で起動し、PowerShell スクリプトを展開した先に移動後、下記のコマンドを実行します。
.\enableearlyupdatering2103.ps1 <サイト サーバー名 or CAS サーバー名>
- Configuration Manager コンソールを開き、[管理] > [概要] > [更新とサービス] を開きます。自動的に Configuration Manager CB 2103 がダウンロードされ、[インストールの準備完了] になりますが、ならない場合は、上部のリボンから [更新プログラムの確認] を選択します。
※ 必要に応じて [ダウンロード] も選択してください。
※ 画面はダウンロード前の画面です。
- タブの [状態] が [インストールの準備完了] になったら、上部のリボンから [前提条件チェックを実行] を選択します。
- 今回は前提条件チェックにて、警告が表示されました。
この警告は以前の記事で紹介したように、HTTP-only の通信方式がサポートされなくなるための警告でした。今回の環境は HTTPS 構成ですが、警告が表示されました。(HTTPS 構成にはしているのですが、下記の設定になっているためかと思われます。)
- 前提条件チェックを実施し、問題なければ、上部のリボンから [更新プログラム パックのインストール] を選択します。(この例では、警告が表示されていますが、HTTP-only 廃止の警告のため、このまま進めます。)
- 今回は警告を無視して進めるため、[前提条件チェックの警告をすべて無視し、要件を満たしてなくてもこの更新プログラムをインストールします。] にチェックを入れて、[次へ] を選択します。
- [機能] タブでは、必要に応じて、機能にチェックを入れ、[次へ] を選択します
- [クライアント更新プログラムの設定] にて [検証なしでアップグレードする] を選択し、[次へ] を選択します。
- [ライセンス条項] タブでは、[ライセンス条項およびプライバシーに関する声明に同意する] にチェックを入れ、[次へ] を選択します。
- [概要] タブでは、設定内容が正しいことを確認して、[次へ] を選択します。
- 正常に終了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
アップグレード作業が開始されます。
- アップグレード進行状況は、[監視] > [概要] > [更新とサービスの状態] にて確認することができます。
- アップグレード完了後に、Configuration Manager コンソールを開くと、下記の画面が表示されますので、[OK] を選択します。
- Configuration Manager コンソール更新後、バージョン情報を確認すると Microsoft Endpoint Configuration Manager CB 2103 にアップグレードされていることを確認できます。
<まとめ>
今回の CB 2103 では、前提条件チェックにて、HTTP-only の通信方式を利用していると警告が表示されるという大きな変更がありました。別記事でも紹介していますが、2022 年 10 月 31 日以降にリリースされるビルド (2211 かと思われる) から、HTTP-only の構成がサポートされなくなります。基本的に、現在の環境を作り直す等のかなり大きな変更は必要ないですが、システム変更が必要になります。このブログでも、HTTP-only から拡張 HTTP or HTTPS 構成への変更についての記事を新たに作成する予定です。(時期未定)
CB 2103 を導入される際には、前提条件チェックと HTTP-only の警告をお忘れなく。
皆さんも、CB 2103 にアップグレードして、新機能を体感してみてください。