Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) のご紹介

皆さん、こんにちは。

今回は、SCCM ネタではなく、Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) に含まれる Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) というツールについて紹介したいと思います。

この Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) というツールはコンピューターが起動しなくなった際などのトラブル時に復旧や修復を行う上で役立つツールになります。Windows PE (WinPE) で立ち上がり、エクスプローラーや SFC スキャンなどを利用することができます。では、早速利用できる機能一覧を紹介していきたいと思います。

【DaRT で利用できるツール一覧】

  • レジストリ エディター
    • 対象のコンピューター上のレジストリ値を参照および追加がオフライン環境で行えます。


  • パスワード管理
    • 管理者アカウントを含む、ローカル Windows アカウントのパスワードを変更することができます。Administrator アカウントのパスワードも変更できます。


  • クラッシュ アナライザー
    • クラッシュ ダンプを分析し、システム エラーの原因となったドライバーを特定することができます。





  • ファイルの復元
    • 削除したファイルの復元を行うことができます。
  • ディスク コマンダー
    • マスター ブート レコード (MBR) または GUID パーティション テーブル (GPT) を回復したり、意図せずにパーティションの再作成または削除を行ったために失われた、ベーシック ディスク上のボリュームを回復することができます。
  • ディスクのワイプ
    • ボリュームまたはディスク上のデータを消去できます。
    • アルゴリズムは [擬似ランダム データによるシングル パス上書き] または [4 パス (U.S. Department of Defense 5220.22-M)] が利用できます。
  • コンピューターの管理
    • Windows 上のコンピューターの管理が一部制限付きで利用できます。システム情報やイベント ビューアーやディスクの管理が利用できます。
  • エクスプローラー
    • 各種ボリュームにアクセスできます。ネットワーク ドライブの割り当ても利用できます。
  • ソリューション ウィザード
    • コンピューターを回復するにあたり、最適なツールをウィザードで選択できます。
  • TCP/IP の構成
    • DaRT 環境のネットワーク設定を変更できます。固定 IP 環境などの場合、IP アドレスを付与できます。
  • 修正プログラムのアンインストール
    • 対象のコンピューター上にインストールされている修正プログラムをアンインストールできます。
  • SFC スキャン
    • SFC スキャンを実行して破損しているファイルを修復できます。

  • 検索
    • 各種ボリューム内のファイルを検索できます。
  • リモート接続
    • DaRT の操作画面をリモートから操作する際はこの [リモート接続] を利用します。接続に必要な、チケット番号や IP アドレスが表示されます。

【DaRT の入手方法、ライセンス】

Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) は、Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) に含まれる一つの製品です。そのため、MDOP の ISO ファイルおよびライセンスを取得いただければ利用可能です。

MDOP はソフトウェア アシュアランス (SA) を契約していて、追加コストを払えば利用できるサブスクリプション ライセンスの一つです。

Windows 10 Enterprise E3/E5 または Windows 10 Education E3/E5 を契約しているユーザーは、追加コストを支払わなくても利用できる権利があります。

※ 製品条項 (2019 年 4 月 1 日 バージョン) より

【まとめ】

今回は DaRT の機能一覧について紹介しました。使い方については次回以降に改めて紹介できればと思います。マイクロソフト純正のツールでコンピューターがトラブルになった時に利用できるツール群があるのはうれしいですね。