皆さん、こんにちは。
前回の投稿から期間が空いてしまいましたが、今回は OS 展開ネタを取り上げたいと思います。
今回は SCCM を用いて、Windows 10 を展開する例を取り上げます。
【用意するもの】
・SCCM 環境 (今回取り上げる環境は SCCM CB 1802)
・Windows 10 のインストール メディア (ISO ファイル)
【OS イメージの登録】
- まずは、OS イメージを MSDN (Visual Studio) サブスクリプション等を用いてダウンロードしておきます。
TechNet Evaluation Center でも評価版の Windows 10 ISO イメージを入手することが出来ます。
- SCCM サーバーにログインして、ダウンロードしてきた OS イメージの ISO をマウントします。
- マウントした ISO の sources フォルダーに存在する install.wim を SCCM で利用する共有フォルダーにコピーします。(SCCM で利用する共有フォルダーがない場合は共有フォルダーを作成してください。)
- Configuration Manager コンソールを起動し、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [オペレーティング システム イメージ] を開きます。
- [オペレーティング システム イメージの追加] をクリックし、[オペレーティング システム イメージの追加ウィザード] を起動します。
- [参照] ボタンをクリックし、先ほど OS の install.wim を格納した共有フォルダーのパスを指定し、[次へ] を選択します。
- [名前]、[バージョン]、[コメント] に必要事項を記載し、[次へ] を選択します。
- 確認画面が表示されますので、表示されている内容で問題なければ、[次へ] を選択します。
- イメージの追加が正常に完了すると下記の画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Configuration Manager コンソールでイメージが登録されたことを確認します。
【タスク シーケンスの作成】
- Configuration Manager コンソールで、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開きます。
[タスク シーケンス の作成] をクリックし、 [タスク シーケンスの作成ウィザード] を起動します。 - [タスク シーケンスの作成ウィザード] にて、[既存のイメージ パッケージをインストールする] を選択し、[次へ] を選択します。
- [タスク シーケンス名] に適宜名前を設定します。この名前は OS 展開時にどのタスク シーケンスかを選択するのに利用します。
名前を設定後、ブート イメージの [参照] を選択します。 - 展開する OS のアーキテクチャに合うブート イメージを選択します。今回は、Windows 10 の 64 ビット版を展開するので Boot image (x64) を選択します。
(スクリーンショットでは複数のブート イメージが表示されていますが、既定で用意されているものは、Boot image (x64)、Boot image (x86) のみです。) - ブート イメージが選択されたことを確認して、[次へ] を選択します。
- [Windows オペレーティング システムのインストール] 画面で[イメージ パッケージ] の [参照] を選択します。
- 【OS イメージの登録】で登録した [オペレーティング システム イメージ] を選択し、[OK] を選択します。
- 今回は、Windows 10 Enterprise を展開するので、[2 – Windows 10 Enterprise] を選択します。
- ・今回は BitLocker を用いない環境のため、[BitLocker で使用するタスク シーケンスを構成する] のチェックは外します。
・必要に応じてプロダクト キーを設定します。
・展開後の OS の Administrator パスワードを設定する場合は、[アカウントを有効にし、ローカル管理者パスワードを設定する] にチェックし、パスワードを設定します。 - [ネットワークの構成] では、ワークグループに参加するか、ドメインに参加するかを選択します。
ドメイン OU を指定すると、コンピューターがドメインに参加した際に格納コンピューター アカウントを格納する先の OU を選択できます。 - ドメインの場合は下記のように設定します。
- [Configuration Manager クライアントのインストール] 画面では既定の設定のまま進みます。
- 新規 OS 展開を想定したタスク シーケンスのため、[ユーザー設定とファイルをキャプチャする] はチェックを外します。
- ソフトウェア更新プログラムは既定の設定で [ソフトウェア更新プログラムをインストールしない] を選択し、[次へ] を選択します。
- [アプリケーションのインストール] では、SCCM に登録したアプリケーションを追加することで OS 展開中に対象のアプリケーションをインストールできます。今回は追加せず、[次へ] を選択します。
- 設定内容を確認して問題なければ、[次へ] を選択します。
- タスク シーケンスの作成が正常に完了すると下記のような画面が表示されますので、[閉じる] を選択します。
- Configuration Manager コンソールにて、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開き、作成したタスク シーケンスを確認します。
【コンテンツ配布】
SCCM ではアプリケーション展開や OS 展開など展開するパッケージを事前に配布ポイントに配布しておく必要があります。そのため、この OS 展開編でも作成したタスク シーケンスに紐付くパッケージを事前に展開します。
- Configuration Manager コンソールにて、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開き、作成したタスク シーケンスを選択し、[コンテンツの配布] を選択します。
- [コンテンツの配布ウィザード] が起動しますので、[次へ] を選択します。
- [配布するコンテンツの確認] で配布するコンテンツを確認し、[次へ] を選択します。
- [コンテンツの配布先] にて [追加] > [配布ポイント] を選択します。
- OS 展開に使用する配布ポイントを選択し、[OK]を選択します。
- 配布ポイントがコンテンツの配布先に選択されたことを確認し、[次へ] を選択します。
- [設定の確認] にて設定内容を確認し、[次へ] を選択します。
- コンテンツの配布設定が正常に完了すると下記の画面が表示されます。これで、コンテンツの配布設定は完了です。[閉じる] を選択し、ウィザードを閉じます。
【タスク シーケンスの展開】
作成したタスク シーケンスを各クライアントに展開します。
- Configuration Manager コンソールにて、[ソフトウェア ライブラリ] > [概要] > [オペレーティング システム] > [タスク シーケンス] を開き、作成したタスク シーケンスを選択し、[展開] を選択します。
- [ソフトウェアの展開ウィザード] が起動します。[コレクション] の [参照] を選択します。
- タスク シーケンスは危険性の高い展開であると危険が表示されますが、[OK] を選択します。
- 今回は新規の PC に OS 展開を行うので、[すべての不明なコンピューター] を選択します。このコレクションは、SCCM にまだ登録されていないコンピューターを示します。
System Center Configuration Manager での不明なコンピューターの展開の準備
- [コレクション] に選択したコレクションが選択されたことを確認し、[次へ] を選択します。
- [展開設定] にて、[利用できるようにする項目] を [メディアと PXE のみ] に選択します。
- [スケジュール] は既定のまま、[次へ] を選択します。
- [ユーザー側の表示と操作] も既定のまま、[次へ] を選択します。
- [アラート] も既定のまま、[次へ] を選択します。
- [配布ポイント] も既定のまま、[次へ] を選択します。
- 設定内容を確認して、[次へ] を選択します。
- 正常に展開できると下記のような画面が表示されます。確認して、[閉じる] を選択します。
【タスク シーケンスの実行 (OS 展開)】
OS 展開する際には、タスク シーケンス展開に用いる起動イメージを PXE ブートや起動可能なメディアを使って起動する必要があります。
・PXE ブートの場合の設定 (配布ポイント)
PXE 要求を受け入れるための配布ポイントの構成
・起動可能なメディアの場合
System Center Configuration Manager を使用した起動可能なメディアの作成
- PXE ブートまたは起動可能なメディアで起動すると下記の画面が表示されます。[Next] を選択します。
- 作成したタスク シーケンス名を選択し、[Next] を選択します。
- 進行状況が表示されます。
- OS 展開完了です。
今回は、SCCM を用いた基本的な OS 展開の方法をご紹介しました。
SCCM を用いると更に高度な OS 展開も可能です。例えば、英語 OS イメージに日本語の言語パックをインストールして日本語化をタスク シーケンス内で行う等も可能です。
皆さんもタスク シーケンスを使って快適な OS 展開ライフをお過ごしください!