SCCM によるソフトウェア配信時間設定について

今回は SCCM によるソフトウェアの配信設定について取り上げたいと思います。
日々、社内 SE (社内 IT) として SCCM を管理していると SCCM を使ったソフトウェア配信の依頼が来ます。ただ、私の所属する組織は外資系企業ということもあり、ソフトウェア配信の依頼が US から来る事もあります。その時に困るのが配信時間の設定です。特に、ソフトウェアの強制配信の時が困ります。それも、SCCM サーバーの時間設定が US Time (Pacific Standard Time: PST) になっていて、そのサーバーにログオンして Configuration Manager Console を開いて設定する場合、ウィザードの中の時間は日本時間を設定すれば良いのか? それともサーバーの時間 (PST) を設定すれば良いのか? 悩みます。
実際に、私はこの設定を一度ミスって当初想定していたよりも早くソフトウェアを強制配信 (利用可能ではなく必須での展開) してしまった苦い経験があります。(その時は約 2,000 台に誤った早い時間で配信してしまいました。時差が 17 時間程度あったので実質 1 日早く配信してしまった事になります。)

さて、余談は置いておいて、本題です。
SCCM にてソフトウェアを配信 (展開) するには主に 2 通りがあります。
パッケージ (Packages) とアプリケーション (Applications) です。
今回は、パッケージをベースにして取り上げます。今回は、パッケージの詳しい作り方は紹介しません。既に、パッケージがあるところから説明します。

まず、対象のパッケージを選んで [展開] をクリックします。そうすると下記の画面が出てきます。そこで、配信対象のコレクションを選択します。(配信対象のコレクションはよく確認為ましょう。間違ったコレクションに配信する事だけは避けましょう)

Deployment (1)

次に、配信ポイント (Distribution Point) の選択をします。事前にコンテンツを [コンテンツの配布] で配布ポイントにコンテンツを配布してあると書きのように表示されます。

Deployment (2)

次に、展開の仕方にについて選択します。[目的] というところでどのような形でソフトウェアが展開されるかを選択できます。

利用可能:クライアント PC の Software Center というソフトウェアに配信したソフトウェアが表示されます。ユーザーはその Software Center からユーザーの好きなタイミングでソフトウェアをインストールできます。(任意配信)
必須:クライアント PC に設定された時間以降から強制的にソフトウェアが導入 or 実行されます。(強制配信)
このオプションを使用しても、後ほどの設定で工夫すると一定期間、利用可能の状態を作る事ができます。

Deployment (3)

問題の配信時間の設定です。
強制配信 (必須) の場合は、[この展開が使用可能になる日時を指定する] にチェックを入れて時間を設定するとその時間から次に設定する強制配信開始時間までの間、ユーザーが Software Center から任意のタイミングでソフトウェアをインストールできるようになります。(要:こちらの設定)
特に、ユーザーには任意のインストールをさせない場合は、[新規] をクリックして強制配信開始時間を設定します。

Deployment (4)

特定の時間を設定する場合は、[スケジュール] をクリックします。
特定のイベント直後に実行させる場合は [スケジュール] の下のチェックボックスにチェックを入れて適切なものを選択します。(選択肢: [直ちに] or [ログオン] or [ログオフ] )

Deployment (5)

[スケジュール] をクリックした場合、ここで、初めて強制配信開始時間を設定できます。
さて、この開始時間はどのタイムゾーンを設定すれば良いのでしょうか?
答えは、SCCM クライアントが導入されている OS のタイムゾーンです。SCCM サーバーが US のタイムゾーン (PST) で動作していても日本にあるクライアント PC に配信する場合は日本時間 (JST) を設定する必要があります。そのため、対象のコレクションにあるクライアントが複数のタイムゾーンで動いていると分かった場合は UTC を設定する事をお勧めします。(全マシン同一の時間で実行させたい場合)
この、時間設定の部分に関しては Web でも情報が少なく混乱するところです。現に私は混乱しました。パッケージではなく、アップリケーションの場合は選択肢に [クライアントのローカル時刻] と表示されるので間違えづらいのですがね。。。

Deployment (6)


その後、ユーザー側の表示と操作というオプション設定画面に来ます。ここでも、注意点があります。

[割り当てられたプログラムの個別の実行をユーザーに許可する] のチェックを入れると、先ほどの配信時間の設定の際に [この展開が使用可能になる日時を指定する] を設定していた時間から強制配信開始までの時間にクライアントの Software Center に配信対象のソフトウェアを表示 (ユーザーが手動でインストール可能) にしておくことができます。(デフォルトでチェックオフ)

Deployment (7)

その後、配信ポイント等の設定をすればめでたくソフトウェアが展開できます。
多国籍企業の場合は、配信時間の設定が面倒ですね。これも、慣れれば改善するのでしょうか…影響範囲が大きくなればなるほど配信設定には気を遣いたいものです。皆さんも配信設定はお気をつけてください。

コメント

  1. 迷える子羊 より:

    こんにちは。
    SCCMでどうしてもわからないことがあり、情報を探している中でブログを拝見させていただいております。私のような素人(SCCMの運用管理をはじめて3か月目です、、)でもわかりやすい記述とキャプチャで、大変参考になっております。

    もし、ご存じであれば是非教えて頂きたいのですが、ソフトウェア配布後、指定時間にユーザー端末側で「ソフトウェアセンター」がポップアップで表示されると思うのですが、そのメッセージの最初の行の部分「20yy/mm/ddのhh:ss以降に、このコンピューターのソフトウェアの変更を適用する必要があります。」という文章の日時部分は、SCCMコンソール側のどの部分の設定で変更が可能なのでしょうか?

    経験が浅いため、説明もうまくできておりませんでしたら申し訳ありません、、
    どうぞよろしくお願いいたします。

    • Tamai より:

      迷える子羊さん、こんにちは。
      返信が遅くなってしまいすみませんでした。
      コメントおよびブログを見ていただいてありがとうございます。
      私もまだまだ SCCM 歴が浅いので勉強の毎日です。

      さて、本題ですが、ソフトウェア センターが表示する「YYYY/MM/DD HH:SS 以降に、このコンピューターのソフトウェアの変更を適用する必要があります。」メッセージの YYYY/MM/DD HH:SS の部分は、ソフトウェアの配信設定をする際の「インストールの期限」で設定した時間になります。
      回答になっていますでしょうか?