皆さん、こんばんは。
今回はこのブログでは異色の QNAP の QuTScloud について紹介したいと思います。
私自身は、QNAP の NAS である TVS-672XT を保有しており、検証環境のバックアップ先等に活用しております。
今回はその、QNAP から提供されている QuTScloud の環境をオンプレミスの Hyper-V 上に構築するということを紹介したいと思います。
まずは、QuTScloud とは何かというと QNAP が提供している NAS 向けの OS である QTS を仮想マシン上およびクラウド上に構築出来るというものになります。NAS のハードウェアを買わなくても、QNAP の NAS とほぼ同等の NAS 環境が構築出来るというものになります。
今回は、Microsoft Azure 等のクラウド サービス上ではなく、オンプレミスの Hyper-V 上に VM として構築したいと思います。
公式のドキュメントはこちらになります。
因みに、トライアル目的でも、有償のライセンスが必要になるようです。最低、1 ヶ月のライセンスがあるので、それを購入することになります。ライセンス キーが無いとセットアップが行えませんので、ご注意ください。
<QuTScloud のダウンロードおよび VM 作成>
まず、Hyper-V 上にインストールする VM のイメージ ファイルを QNAP ダウンロード センターからダウンロードします。
- QNAP ダウンロード センターから Microsoft Hyper-V Package の最新バージョンをダウンロードします。
(※ 2022/05/14 時点では、c5.0.1.1998 build 20220408 が最新バージョンです)
- zip ファイルがダウンロードされるので、zip ファイルの Zone ID を削除し、Hyper-V サーバーのドライブにコピーします。
- zip ファイルを展開し、任意のフォルダーに格納します。
- Hyper-V マネージャーを開き、[仮想マシンのインポート] を選択します。
- [仮想マシンのインポート] ウィザードが起動しますので、[次へ] で進みます。
- [フォルダーの検索] にて、[参照] を選択し、ダウンロードした zip ファイルを展開したフォルダーを選択します。
- [仮想マシンの選択] にて、QuTScloud の仮想マシンを選択します。
- [インポートの種類の選択] にて、[仮想マシンをコピーする (新しい一意な ID を作成する)] にチェックを入れます。
- [移動先の選択] にて、必要に応じて仮想マシンの構成フォルダーなどのパスを指定します。(既定では、Hyper-V の設定にて設定した既定の保存先が利用されます)
- [仮想ハード ディスクを保存するフォルダーを選択します] にて、仮想ハード ディスクの保存先を設定します。
- [ネットワークへの接続] にて、Hyper-V で利用しているネットワークを選択します。
(※ インターネット接続出来るネットワークである必要があります。)
- [要約] にて、インポート設定が正しいことを確認し、[完了] を選択します。
- 仮想マシンがインポートされますので、インポートされた仮想マシンを選択し、[設定] を選択し、設定画面を表示します。
これは、システム ドライブとは別のデータを保存する先のディスクを作成するためです。
- [SCSI コントローラー] を選択し、[ハード ドライブ] を選択し、[追加] を選択します。
- [新規] を選択します。
- [仮想ハード ディスクの新規作成ウィザード] が起動しますので、[次へ] を選択します。
- [VHDX] を選択します。
- [容量可変] を選択します。
- 仮想ハード ディスクの名前や場所を設定します。
- [新しい空の仮想ハード ディスクを作成する] にチェックを入れ、最低でも 200 GB の容量を指定します。
- [要約] にて、設定内容が正しいことを確認し、[完了] を選択します。
- 仮想ハード ディスクがアサインされたことを確認し、[OK] で設定画面を閉じます。
<QuTScloud の VM 起動および初期セットアップ実施>
- VM が作成出来たら、VM を起動します。
- OS が起動し終わると、ログイン画面が表示されます。
- Hyper-V マネージャーに戻り、[ネットワーク] の欄から IP アドレスを確認します。
- 作業用マシンでブラウザーを開き、上記の IP アドレスにアクセスします。
(例 : https://192.168.0.220) - 下記のページが表示されますので、[スマートインストレーションの開始] を選択します。
- [ライセンスキーを入力] が表示されますので、下記のサイトで購入したライセンスキーを入力し、[I have read and agree to the Term of Service.] にチェックを入れ、[送信] を選択します。
https://software.qnap.com/qutscloud.html - ライセンス キーが正しく通る戸、[ファームウェアバージョンを指定] の画面に遷移します。今回は最新バージョンのイメージをダウンロードしているので、[現在のバージョン] で [次へ] を選択します。
- NAS の名前と、管理者ユーザー名およびパスワードを設定します。
- タイム ゾーンの設定などを行います。必要に応じて、NTP サーバーを指定します。
- [概要] にて設定内容が正しいことを確認し、[適用] を選択します。
- 警告画面が表示されますので、[初期化] を選択します。
- セットアップが開始されます。
- セットアップが終わると、下記の画面が表示されるので、[NAS管理に移動] を選択します。
- 先ほど設定した、ユーザー名およびパスワードでログインします。
- データとプライバシーの画面が表示されますので、[続行] を選択します。
- 管理画面が表示されますので、後は、ストレージ プールを作成する等、初期設定を行えば、NAS として利用可能になります。今回の記事では、ストレージ スペースなどの作成方法は割愛します。
<まとめ>
QuTScloud を使えば、自前のハードウェア環境で、QNAP の NAS 環境を構築することが気軽に出来ます。サブスクリプション形式なので、月額 or 年額のコストはかかりますが、サクッと環境を立ち上げることが出来ます。皆さんも興味ある場合は作成してみてください。